体外受精をすればなんとかなる!は神話に過ぎないんです・・・。

 

やっと妊娠を考えたときには、すでに自然妊娠は難しいだけではなくて、高度な不妊治療をおこなっても成功率が低い年齢となっている・・・、そんなケースは少なくありません。
今や日本は不妊治療大国です。
最も高度な治療方法である体外受精がおこなわれている数は24万件にも及び、世界でもトップの件数です。
そして数だけでなく、治療のレベルもトップレベルといってもいいですね。
しかし、最先端の治療を受けられる環境であるながら、実際には40歳の人が体外受精を1回おこなって出産までに至る割合は7,7%にすぎません。
これを単純換算しますと、100人中8人足らずしか成功しないということなのです。
さらに1人分の可能性で見ますと、体外受精を13回受けて、やっと1人の赤ちゃんが生まれるという計算になります。
体への負担はもちろんのこと、莫大な金銭的や精神的ストレスを味わっても成功する確率はかなり低いという現実をできるだけ多くの女性たちに知ってほしいと思います。

 

 

国会議員の野田聖子さんは40歳から不妊治療を続けて、一度は妊娠したものの、流産してしまって、50歳で卵子提供によって出産しました。
あるテレビ番組で野田さんが話していたことが印象に残っています。

 

自分は卵子提供という方法に出会ったから、今我が子と一緒に暮らせるようになった。でもこれからの女性は妊娠適齢期や妊娠できる限界の年齢について知って、若いうちに産んでほしい。
これまではそのことがあまり教育されてこなかったら、自分を含む多くの女性が知らなかった。今後は、母親自身も授かる子供も一番リスクが少ない時期に母となれるような道を選んでほしい。

 

野田さんがリスクという言葉を使ったように、妊娠・出産は誰でもできる普通のこととも思われがちですが実際には女性の体に信じられないようなダイナミックな変化を生じさせるために、非常に多くの危険を伴っています。
例えば赤ちゃんに酸素を送るため、血液の量を普段の1,5倍になって、体重も10キロ近く増える為心臓に相当な負担がかかります。
自分とは違う細胞をもつ胎児を異物として攻撃しないような免疫も抑制されるため、風邪やインフルエンザなどに感染しやすく、重症化しやすくなります。

 

さらに妊娠中は血液が固まりやすくなる、糖尿病や高血圧が発生しやすくなるといった変化もあってそれらを乗り越えて出産する時には、難産や大量に出血する場合もあります。
このように、妊娠と出産は多くの危険と背中あわせで、これらの変化に体がうまく順応できないと母体が非常に危険な状態となって命が奪われることさえあるのです。
年齢にかかわらず妊娠にはこうしたリスクが伴いますが、特に30代後半からはその割合が高くなります。
アメリカの報告では妊娠、出産による死亡率は10万人に8.6人ですが、35〜39歳では、2,5倍、40歳以上では5,3倍になるといいます。
日本のデータでは、40歳を過ぎた妊婦の死亡率は20〜24歳の妊婦の20倍以上になると報告されています。

 

さらに30代後半から40代では母体への危険が増すだけでなく、胎児側の異常も多くなって、先天異常やダウン症など、障害をもった赤ちゃんが生まれる割合が高まるばかりか、赤ちゃんの死亡率も上昇します。

 

不育症の半数は高齢出産が原因と考えられるケースです。
老化した卵子は染色体の異常を起こしやすく、異常な受精卵は最初から妊娠にいたらないことが多いのですが、せっかく妊娠した場合でもほとんどが発育できずに流産してしまいます。
最近の子供には、自閉症、発達障害といった脳の機能の障害が増えています。
これについても、両親が高齢になるにつれて発生率が高まるといわれていて、ほかにもリスク因子として喫煙、胎内へのダイオキシン、胎内の有機リン酸系農薬など環境有害物質の蓄積、ビタミンやミネラルの不足が関係するかもしれないと考えられ、現在、研究がおこなわれます。
また、自閉症の子供を持つ、父親の出産時年齢を見てみますと、40歳以上が30歳未満の2倍という研究発表があり、父親の年齢も関係がありそうです。

 

 

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